浮気調査で直面する「感情の壁」
探偵業を営む中で、調査そのものよりも難しいと感じることがあります。
それは、感情に流されて行動してしまう依頼者様への対応、つまり「コントロール」の難しさです。
調査を妨げる依頼者様の行動パターン
具体的には、以下のような行動が調査に悪影響を及ぼすことがあります。
- 調査の最中や、時には調査前日に、パートナーの浮気を問い詰めてしまうこと。
- 張り込みを行っている調査現場に、ご自身で現れてしまうこと。
- 調査期間中に、パートナーに対して執拗に探りを入れる言動を繰り返すこと。
- 十分な証拠が集まっていない段階で、性急に何らかの行動を起こしてしまうこと。
- ポーカーフェイスを保てず、パートナーに警戒心を抱かせてしまうこと。(浮気に悩んでいることが露骨に伝わる、あるいはそれをアピールしているかのようなレベルです。)
当探偵事務所では、これらの行動は「絶対に避けるべきだ」と強くお伝えしていますが、感情に任せて、ついやってはいけない行動を取ってしまう方がいらっしゃるのも事実です。
探偵が感情的な対応を避けざるを得ない理由
余談かもしれませんが、多くの探偵事務所では、依頼者様と直接やり取りする担当者が決まっています。
しかし、その担当者は調査現場には行かず、同時に多くのお客様を担当しています。その業務量は膨大であり、日々多忙を極めています。
そのため、感情的になりがちな依頼者様一人ひとりに一日中付きっきりで対応し、行動を細かくコントロールすることは、現実的に不可能です。
また、このような状況にある依頼者様に時間をかけても、状況が大きく改善することは稀です。
むしろ、感情に強く訴えかけるタイプのお客様の場合、話せば話すほど私共に依存し、望ましくない方向へ進んでしまう傾向が見られます。
ですから、もし依頼者様が誤った方向へ進んでいると感じた際には、あえて事務的な対応を取ることもございます。
感情に流された行動が招く深刻な結果
少し話がそれましたが、本題に戻しましょう。
「感情に流されて行動してしまう」という言葉は聞こえが良いかもしれませんが、実際に行われていることは、調査の重大な妨害行為に他なりません。
感情に任せた行動の結果、以下のような事態を招くことがあります。
- 調査予定だった密会が中止となり、決定的な証拠を撮影できなかった。
- 調査期間が不必要に長引いてしまい、追加費用が発生した。
- 調査の継続自体が不可能になってしまった。
このような事態を避けるため、当探偵事務所では「それはダメです」と、口を酸っぱくして何度も繰り返しお伝えしています。
しかし、その場では「分かりました」とおっしゃるものの、約束をしてもまた同じ行動を繰り返してしまうケースも少なくありません。
正直なところ、何度お伝えしてもアドバイスを聞き入れていただけない依頼者様への対応は、多大な手間、時間、労力を要し、精神的な負担も大きいものです。
一方で、当探偵事務所のアドバイスをしっかりと守り、協力的な依頼者様は、手間も時間もかからずスムーズに調査が進みます。
同じ料金をいただいているのに、これは不公平だと感じてしまうこともあります。
良かれと思って一生懸命アドバイスしているにもかかわらず、約束を何度も破り、やってはいけない行動をされると、私共も人間ですから、正直なところ「困惑」することもあります。
しかし、それ以上に、たとえ依頼者様ご自身が原因で調査が困難になったとしても、目的が達成されずに悲しい表情をされる依頼者様を見るのは辛いものです。
このようなケースでは、私共も達成感を得られず、依頼者様にとっても苦しい結果となるため、お互いにとって良い結末とは言えません。
そのため、最近では、たとえ嫌われても構わないという覚悟で、より一層、繰り返し注意喚起をするようにしています。
探偵としての葛藤と、ある弁護士からの言葉
ところが、ある時、弁護士のM先生からいただいた言葉で、私の考え方が少し変わり、気持ちが楽になりました。
M先生はこうおっしゃいました。
「感情に任せて動く人は、調査がうまくいくことよりも、感情のままに行動したいということを優先し、それを自分で選んだのです。だから、探偵さんが気にする必要はありません。お客様は感情のままに動く方が楽だと感じ、その選択をご自身でされたのですから。」
もしかすると、私は「早く、安く、より良い証拠が撮れることこそが正義であり、依頼者様が感情に任せて動いて余分な時間や費用がかかること、結果が出ないことは悪である」という固定観念に囚われていたのかもしれません。
中には、私の親切心からのアドバイスが、決めつけや「おせっかい」だと感じられた依頼者様もいらっしゃったかもしれませんね。
探偵法務's 三重四日市が貫く基本スタンス
しかし、やはり探偵は「証拠を撮ってこそ」の仕事です。
そして、何よりも依頼者様には後悔していただきたくありません。
この基本的なスタンスはこれからも変わることはありません。
ですから、探偵法務's 三重四日市は、これからも「ダメなことはダメ」と、真摯にお伝えし続けてまいります。